Horse Racing Cafe2号店(仮設)

Horse Racing Cafeの2号店(仮設)的なもの

桜の下で酒は飲むもんじゃねぇ

 桜は酒を飲むために存在するものではありません。歴史に残る名牝誕生を期待していたファンにとっては失望する結果になってしまったかもしれないが、ウオッカ自体の示したパフォーマンスは非難されるものではない(騎手に対してはあるかもしれんが)。四位にしろアンカツにしろ事前に予想されていたレースはしているのであり、ウオッカの示したパフォーマンスも過去2〜3戦での平均値に近いものだと推定するならば、非難されるべきは鞍上が相手の力量を測り間違えたことになるのであろう(直線で接触しそうになって体勢を立て直したこともあるが)。
12.7-11.6-11.4-12.1-12.0-11.6-10.6-11.7  
1000m通過59.8という新装阪神外回りお決まりのスローペース。
 チューリップ賞といえば
12.4-10.9-12.1-12.2-12.2-11.1-11.0-11.8
 と、ほぼ同じようなペースだが、最大の違いは始めから2ハロン目の11.6と10.9の部分。桜花賞が11.6に対してチューリップ賞は10.9。この10.9という時計はほぼ押し出されるようにして先頭に立ったダイワスカーレットのマークした時計だが、11.6というのはもちろん違う。もちろん、チューリップ賞と比べてダイワスカーレット桜花賞での位置取りは後ろなのであり余力をチューリップ賞以上に残していることは簡単に推測できるのだが、思うにこの部分が今日のラスト2ハロン目10.6をたたき出す要因になったのではないんじゃねえかと(チューリップではダイスカはウオッカを待っているためにスピードに乗るのが遅れたという指摘も可だけれど)。四位にしてみればチューリップ賞のようにダイワスカーレットを子ども扱いするつもりだったんだろうが、今回は相手も余力十分だったと。それだけ踏まえると前走でアンカツの騎乗は今回のための布石だったとも言えなくもないのだが、四位はちょっとヘグったな。「いつもの走りでありませんでした」と言われても、この時期の3歳牝馬にして上がり33.6をマークしているのだから、これ以上の伸びを見せる方が化け物だろ(笑)。池添の05年マイルチャンピオンシップでのデュランダルにしてもそうなのだが、馬はこれ以上ないと言える位伸びているのに対し、騎手がその伸びに不満足というニュアンスで語るのはどうなのかと。自分の馬を信頼するのは勝つ上で不可欠なことであると思うのだが、それも度が過ぎるとただの盲目的な信者に過ぎない。ただ、自分の視界を狭めて勝つ可能性をむざむざ下げているだけである。そんな信者を乗せ続けても勝ち続けたのがディープインパクトだったりするのだが(凱旋門賞ではやっちゃいましたが)。
 三強の一角アストンマーチャンにしてみれば、返し馬でジャンポケ張りの天向かっての雄たけびを上げていた時点で勝負あったのだが、この馬が好走した阪神JF時と比べても馬場が違いすぎたことも敗因の一つに挙げられるか。半年以上馬場が使われておらず、言葉通りのグリーンベルトでスピード優先馬場であった昨年の阪神JFに比べると、桜花賞の週の馬場はダンス産駒が活躍していたようにパワータイプにバランスが動いていた。こうなると、例の古武術のような摺り足走法のマーチャンには厳しかった。スローペースも単調なスピードで一気に勝負を決めたいこの馬にしてみたら苦手な展開であったとも。
 てゆうか、例年は阪神JFの流れ≒桜花賞の流れになるのに対し、今年はチューリップ賞の流れ≒桜花賞の流れになってしまったというある意味異常な年。こうなったのも、ヘタレペースでフラワーCを逃げ切ったショウナンタレント以外07年牝馬クラシック戦線において各レースで逃げた馬が一頭も桜花賞に出走していないという、まさにスローマンセー世代とも言える事実が大きい。オークスにしてもこの面子以外に出走してきそうな馬に逃げ馬なんていないんだからスロー確実。世代のレベルは高いんだろうが、もー少しクラシックなんだから締まった流れにしてほしいと思うのは自分だけかしら。