Horse Racing Cafe2号店(仮設)

Horse Racing Cafeの2号店(仮設)的なもの

Prix de l'Arc de Triomphe Lucien Barriere

 去年のことがあってか、やたら三歳馬三歳馬と戦前は言われていたが、こういうときに限って古馬が勝つという展開もまた一興。Dylan Thomasが最後の直線で見せた脚は少々お行儀が悪かった気がしないでもないが凱旋門賞馬に相応しい脚だった。それにしても、今シーズンのDylan Thomasが歩んだローテはまさに王道のそれだった。昨年はシーズン後半に同じクールモア陣営のHurricane Runとの使い分けのために不向きなダート競馬に参戦したが、同世代のBernardiniに30馬身以上の着差をつけられる大敗を喫した。それによる精神的ダメージも心配されたがそんな気配は露も見せずに復帰戦の準重賞を無難に勝つと、そこからGⅠばかりを凱旋門賞含めて7戦すべて連を外さず走りきった。中でもキングジョージ→英インターナショナル→愛チャンピオンS凱旋門賞を使って3勝2着1回という成績は字面の上では近年では最強の部類に入るのではないかと。それでも評価が低く見られがちなのは負けたレースが淡白な印象も強く影響しているように感じる。
 A.O'Brienは意外にもこれが凱旋門賞初勝利。今年の活躍は例年に増して凄まじく、Peeping Fawn・Dylan ThomasSoldier of Fortune等を配して各国のGⅠを総なめ状態。この活躍は馬の質もさることながら調子を高次元で安定させながら使い続けるO'Brienの腕が大きい。ダ○スタの藤枝厩舎なんて目じゃない罠。
 2着のYoumzainはこれでキングジョージ凱旋門賞で2着。凱旋門賞で差が縮まったのは馬場・ペースなどが最高にこの馬に向いたことが大きい。今春にドバイシーマクラシックを見たときは今シーズンはそこそこまでいけると思ったが勝ち星無しのこの成績は評価しがたいところ。Dylanが引退する来シーズンは古馬の大将格になるのであろうが今年のように善戦マンのままなのか、それともManduroのように一変するのか、この馬が来年の鍵を握ると言っても過言ではない。
 期待された3歳勢はニエユ賞2着のSagaraが最先着。Zambezi Sunは直線で前をカットされる不利があったとは言え、順調に行ったとしても勝つまでは厳しかったか。まだ気性的に子供の部分があると報じられているように来年さらに期待。5着のSoldier of Fortuneは展開が厳しかった割に良く粘っている。Dylan Thomasのように10ハロンもこなせる万能タイプになれるかと言われると疑問だが、来年の12ハロン路線の中核を担うだけのポテンシャルは見せ付けた。Authorizedはスタートで終了。フランキーはスタート前から終わっていたと語っているように燃えやすい気性が悪い方向に出てしまった。レースを見ていても一頭だけ完全に流れに乗れていない感アリアリ。Montjeuは自身もそうだったが、産駒のMotivatorHurricane Runもグダグダで終わった印象があったため、ここでAuthorizedが綺麗に締めてくれれば既に種牡馬入りした2頭とは違うアピールがと思うのだが…。