Horse Racing Cafe2号店(仮設)

Horse Racing Cafeの2号店(仮設)的なもの

2007 Cathay Pacific Hong Kong International Races展望

 徹夜でゼミ課題やっていたら案外早く終わったので簡単ながら展望を。
 キャセイパシフィック香港国際諸競走の出馬表

Hong Kong Sprint

 前年王者Absolute Championとそれをトライアルで相手にしなかったSacred Kingdomの地元2強に対してグローバル・スプリント女王の座を確定させたいMiss Andrettiが挑むという流れ。Sacred Kingdomなんかは昨シーズンの最終戦に選んだHSBCプレミア沙田ヴァーズでMedic Powerに手も脚も出ずに敗れ去った時は失望という声が大きかったが、前走のスプリントトライアルでMedic PowerにリベンジするどころかAbsolute Championまでも倒すと一気に大本命に祭り上げられるのだから人というものは本当に移ろいやすいもの…。同じことはAbsolute Championにも言え、昨年のSilent Witnessを4馬身離した時は「当分、スプリントはこの馬を中心に回る」とされていたのに1年経ったらアラ2番手に。香港スプリント路線の層の厚さと言われてしまえばそれまでなのだが、Silent Witnessから受け継いだバトンはそんなに軽いものではないことをAbsolute Championは証明しなければならない1戦であることは間違いない。
 この地元2頭に次ぐのが本来なら大本命に推されてもおかしくはない06/07シーズンの豪州年度代表馬Miss Andretti。グローバルスプリントの優勝条件が、①三ヵ国に出走、②42ポイント以上を獲得した馬であるために最早この馬以外は優勝の可能性がないにもかかわらず仕方なく出走してきた。ロイヤルアスコット開催で受けたダメージが心配されたが、馬インフルエンザで大混乱した故郷オーストラリアでGold Edition相手に軽く2戦勝ってきて心配は無さそう。この馬に限らず、先日復活したTakeover TargetやらDance Heroなんかがまだ控えているオーストラリアもスプリント路線の層の厚さは香港に負けず劣らずだな。
 何故か出走してきたMarchand d'OrやスプリンターズSに出走してきたら迷うことなく本命にしたであろうBenbaunなどの欧州GⅠ馬も伏兵としているが如何せん相手が悪い。Marchand d'Orは距離不足かなと。Benbaunに関しては予定もあったBCスプリントを回避し、状態的には悪くはないだろう。去年3着の舞台だし今年も頭は厳しくとも2着までなら走破圏内だと思われ。

Hong Kong Vase

 もはや、Dylan Thomasの取捨選択のみのようなレース。実力どおりならQuijanoやらRed Rocksレベルでは相手にならないはずなのだが、私自身この馬がピークにあったのは7月のキングジョージであり、愛チャンピオンS凱旋門賞もある意味下降線での勝利だと捉えている(下降線でも勝てたところに欧州のヤバさがある気がするが気にするな)。Coolmore的には前走のBCターフといい、JCは別としてここはタダ貰いと考えている節がありありだが、そんな状態で足をすくわれたのがご存知MontjeuHurricane Run親仔。Dylan Thomasがアジアキャンペーンで失敗したらCoolmoreなんてますます「BCでハイ終わり」になってしまう気がするのであと1戦だけ頑張ってほしいところだが…。
 個人的にはドイツのQuijanoがお勧め。去年のCollier Hillがカナディアン国際→香港ヴァーズを持っていったように、BCやJCに出てもお話にならない世界準1流クラスの2400馬はこのローテをとる傾向が出てきた。今年もこの必殺ローテが炸裂する希ガス。春にシンガポールシャドウゲイト&コスモバルクに負けたときよりは強くなったであろうDoctor Dinoも3着までなら。
 それにしても、Viva Patacaなんかは春のQEⅡこそ勝ったが、もとは2400向きといわれていたんだからこっちに出てもよかったと思うんだがな。Dylan Thomasよりも何度も走って手の内を知っているVengeance of Rainの方が組みし易いのは確かだが、せっかくカルティエ賞年度代表馬が来たのに地元の大将核がVital Kingというのはやや寂しいか。

Hong Kong Mile

 コンゴウリキシオーが好枠を引いただけでwktkが止まらない。今年の日本馬はシャドウゲイトの出走するカップが少し厳しいだけにどうしてもこちらに期待が集めざるを得ないのだが、如何せんこちらもメンバーが凶悪である。
 レーティングは欧州の2頭Excellent ArtとDarjinaが抜けているが、如何せん2頭とも全幅の信頼を置くには至らないから話がこじれる。Excellent Artはセントジェームスパレス以降の2着癖がここで出る怖さ、Darjinaは仏国内では5戦5勝だが、国外に出ると2戦0勝という戦績がネックに。調教師はその指摘を「馬場の問題」と切って捨て遥々アジアまで制圧にやってきた。ここを取るようならRamontiが2000路線にシフト濃厚の来年は独壇場か。
 地元からはAble One、Good Ba Ba、The Duke、Floral Pegasusと香港マイル路線お馴染みメンバー。本来なら大将格となるべきArmadaの復帰が遅れている今、暫定空位となっている王座を狙うためもっとギラギラしなきゃいかんのにどれも軽量級のイメージがそぐえないのが玉に瑕。毛利元就の三本の矢のように1頭1頭は軽くても集まれば複数頭集まれば勝てるくらいのノリか。その中ではGood Ba Baのトライアルの勝ち方は中々のものだったが…。あえて、トライアルを使わず、レコード勝ちした沙汰トロフィーから直行のDown Townも気になるが一気の斤量増が苦しい。

Hong Kong Cup

 地元の誇る2強、Vengeance of RainとViva Patacaにマイル路線からRamontiの参戦。ちょうど、香港側の気持ち的には去年のJCでのディープとハーツの激突に海の外からOuja Board参戦みたいな感覚でいいのだろうか。今春のシーマクラシックで香港調教馬初の海外国際GⅠ制覇をよりによって私の目の前で達成し、意気揚々と地元でアドマイヤムーン撃破に名乗りを上げたVengeance of Rainだったが、地元で万全の状態で手薬煉引いて待っていたViva Patacaの前にQEⅡ、チャンピオンズ&チャーターCと2連敗。シーズンが変わっても予定していたBC遠征こそ断念したがトライアルを調教代わりに勝って上り調子のViva Patacaに対し、調整遅れが噂され前哨戦では主戦のA. Delpechを使えず、マイルトライアルでもいいところ無く5着に敗れたVengeance of Rain。ちょうど、QEⅡ前の状況と正反対の状態で2強が再戦する。チャンピオンズ&チャーターCは距離が2400、QEⅡはドバイからの強行ローテとオッズほどこの2頭に差があるわけでもない。ただ、両2戦でひょっとしたらVengeance of Rain撃破の最大の立役者かもしれない軍曹M.Kinaneを招聘したViva Patacaの前にVengeance of Rainが太刀打ちできる余地があるのかと問われると、ここに至る過程を見るに状況は春よりも厳しくなっているのではないかと思わざるをえないわけで…。
 Ramontiは化ける化けると昨年から言い続けて本当に今年化けたわけだが、いきなり2000はどうなんだと。シャドウゲイトあたりがペースをスローに落とせばなまじか自力があるだけに来ても全くおかしくはないだけにQEⅡでViva Patacaが担った空気嫁の役割を担うのは今度はこっちか。