Horse Racing Cafe2号店(仮設)

Horse Racing Cafeの2号店(仮設)的なもの

2008年でも振り返るか-その1

 2009年も始まって11日が経つというのに2008年を振り返る。とは言っても、あまり風呂敷を広げすぎてまとまりがなくなるのも嫌なので先日発表されたJRA賞受賞馬中心で。

年度代表馬・最優秀4歳以上牝馬-ウオッカ

 2008年のウオッカはレース毎にその可能性と限界を見せていたように感じる。初戦となった京都記念四位洋文が3歳秋から目指した後方からの脚力に賭ける競馬に限界が見えたレースだった。2戦目のドバイデューティフリーでは武豊による先行策で強豪相手に4着と好走するが、帰国初戦のヴィクトリアマイルは東京コース・牝馬相手と条件的には最高とも言える条件であったのに致命的とも言える2着。まさに背水の陣となった安田記念は岩田の積極策から素晴らしいパフォーマンスで圧勝し復活を見せ付けたが、毎日王冠は気性に難を見せスーパーホーネットの強襲の前に2着。そしてあの天皇賞・秋に至る。
 ライバルと評されるダイワスカーレットがレースを重ねても尚、能力の底を私たちに見せないように感じるのに対して、ウオッカは負けるレース毎に限界を見せたように見せかけながらも次走で容易く私たちの想像を破るようなパフォーマンスを演じ、私たちを驚かせるのだ。そういう意味では、ダイワスカーレットとは異なる意味でウオッカも私たちに限界を感じさせない馬とも言えるか。昨年の最終戦となったJCは私には再びウオッカの限界が感じられたレースでもあったことも事実。だからこそ、2度目となるドバイ遠征において良い意味で私の想像を破ってくれることを期待してしまうのだが。

最優秀2歳牝馬-ブエナビスタ

 阪神JFは何も言うことがないほどの勝ちっぷり。ケチをつけるとしたら名刀デュランダルが3連覇を目指して散った05年マイルチャンピオンSのようにハイペースで脚を使わされる展開になった時にどこまで脚を使えるかだが、対古馬ならまだしも同姓相手ならそこまで心配する必要も無いか。もうアンカツはダイワと被ったらどっちに乗るの?くらいの覚悟を決めておいた方が良いんじゃないのかね(ぶつからない可能性の方が高い気もするが)

最優秀2歳牡馬-セイウンワンダー

 新潟2歳Sこそ出遅れからの直線一気と不器用な競馬での勝利だったが、もともとはデビューからの2戦とも上手に好位から立ち回る競馬をしていた馬。それだけに朝日杯もインから一気に抜け出すレースセンスが光った。ただ、クラシックとなると同じくレースセンスは抜群だったマイネルレコルト的な位置取りになる気も。

最優秀3才牝馬-リトルアマポーラ

 忘れている人が大多数だろうが一応昨年の年明けに注目馬の1頭としてこのブログで挙げていたりする(もう1頭はモンテクリスエス)。牝馬三冠路線はチグハグした騎乗が目立ち人気に応えられなかったが、ルメールを鞍上に迎えたエリザベス女王杯をアッサリと制しタイトル奪取。その勝利で最優秀3歳牝馬のタイトルも獲得したので、まさに終わりよければ全て良し。ただ、4着に敗れた京成杯のレース後コメントで

4着 リトルアマポーラ(武幸騎手)
「前半出せたので正攻法で行きました。いい形でレースは出来たんですが、急にエンジンが掛かる馬ではないんですよ。4コーナーで団子になってブレーキを掛けて、そこからもう一度ペースを上げる形になってしまったのが残念です。結果論ですが、大外を回していれば勝てたんでしょうね。それでもこれまで教えてきたこと色々あったんですが、内容としてはよかったですよ。距離はまったく心配要りませんでした」

とあえて将来を見据えた競馬をしたと匂わせておきながら、肝心の本番では何かの一つ覚えのように大外一気ばかりだったのはどういうことなのかと幸四郎には聞きたい気分でもある。

最優秀3歳牡馬-ディープスカイ

 去年は何回馬券を買ったのかは覚えていないが、的中して払い戻しを受けた回数はしっかりと覚えている。ディープスカイ東京優駿ただ1回のみ。しかも、12レースの目黒記念アルナスラインにそのほとんどを投入したためにお金が払い戻し機から帰ってきたことは無しと言ってもいいだろう。今年こそは何とかしたいものである。。
 話は逸れたが、同世代がイマイチな上にディープスカイは1つ上にウオッカダイワスカーレットというインパクトのある2頭がいてやや影が薄くなりがちだが、能力自体は現役屈指。にしても、この馬がJCで天皇賞・秋で先着されたウオッカを差し置いて1番人気に支持された時、「今競馬をやってる奴って玄人しかいないんじゃないの?」と当時500万条件を勝ったばかりのムーンライトタンゴ桜花賞4番人気に支持された時以来の衝撃。

最優秀4歳以上牡馬-スクリーンヒーロー

 グラス産駒初GⅠ制覇ということで忘れがちだが、ダイナアクトレスの牝系にとっても記念すべき初GⅠ勝ち。ここ数年はスカーレット一族がアホみたいな勢いでGⅠ勝利を重ねているが、反抗の1勝となるかどうか。あとはダイナフェアリー一族がGⅠ勝ちをしてくれれば社台にしてみれば言うことはないだろう。

最優秀短距離馬-スリープレスナイト

 芝に戻ってからの重賞3連勝を含む5連勝でスプリンターズS制覇。特に短距離馬はサンアディユやらトロットスターメイショウボーラー(ダートだけれど)のように一度勢いに乗った馬に逆らってはいけない傾向があるだけにこの勝利も納得。ただ、一度調子を落とすと時間がかかる傾向もあるので、体調不良から海外遠征話が立ち消えになるなど決して近況が順調とは言えないだけに今年の春はどうか。そういう意味で試練の春になるような気も。

最優秀ダート馬-カネヒキリ

 2度の屈腱炎を克服してのJCD制覇は立派の一言。その後の東京大賞典で再びヴァーミリアンを退けて優勝したことで現役最強ダート馬の座に返り咲いたと言えるか。ただ、休養前あれほどの戦績を残していた馬ならば本来屈腱炎が再発していた時点で引退であろうに種牡馬としての需要の問題?からの現役続行。明け9歳になっても相変わらず走り続けるらしいブルーコンコルドといい生産界におけるダート競走の位置付けって何なのかね一体。

最優秀障害馬-キングジョイ

 高田にJ・GⅠを勝たせた。それ以外に説明は要らない。思えば1年前は年間未勝利ジョッキーが有馬記念に騎乗云々言われ、肝心のレースでも4角で致命的な不利から落馬寸前、そしてドリパスは転厩と色々考えるところがあったと思いますが本当によくやった!

おまけ-ダイワスカーレット

 負けても尚評価を高めた天皇賞・秋、捕まえに来た牡馬を返り討ちにした有馬記念と演じたパフォーマンスは年度代表馬級。有馬記念勝ちの牝馬が最優秀4歳以上牝馬に選出されなかったことも凄いが、考えてみれば天皇賞・秋を勝ったヘヴンリーロマンスも最優秀4歳以上牝馬に選出されていなかったりする。そういう意味で、JRA賞を受賞するというのは実は結構難しいということを我々に知らしめてくれたとも言えるのではないかと。
 
 明日時間があったら競走馬以外で気になったことを挙げるかな。。