Horse Racing Cafe2号店(仮設)

Horse Racing Cafeの2号店(仮設)的なもの

セレクトセール2009を迎えるにあたって

 Twitterばかりしてないでそろそろこっちも更新しないといかんね。

月曜日からセレクトセール2009がスタートということで、今年は回顧できるか分からんから今のうちに気になった点をピックアップ。とはいっても、上場馬についてつらつらと書いたところでそんなもん私の主観が入り混じった文書を読むよりもカタログでも見た方が100倍その馬について分かるので書きません。ということで、何となく見つけた記事をネタにしよう。
 セレクトセール 外国人バイヤー過去最高へ

 来週のセールに向け、上場馬が飼養されている牧場には、すでに香港の団体客などが下見に訪れている。同協会が、海外で積極的にプロモーション活動を展開。今年の12月から、日本国内に居住していない外国人にも馬主登録が認められるため、せりへの参戦は、さらにヒートアップしそうだ。

 去年は「あのディープインパクト産駒初上場」という文句と並んで、「円安でお得」ということを外国人馬主に対する売り文句にしていた記憶があるが、残念ながら去年の同記事と比べて30円近い円高になってしまった今年は「馬主登録開放」を彼らに対しての売りにするらしい。だがちょっと待てと。上の記事は「日本で馬主になりたきゃ誰でもなれるよー」的なのんきなもんだが、もちろんJRA側(馬主会側)からしてみたら「外国人馬主、誰でもウェルカム」なわけがない。
 本邦外居住者の馬主登録について

登録概要
・ 日本国内の申請者と同様に、競馬の公正を確保するため厳格な審査を行います。
・ 海外において馬主として活動実績のあることとします。
・ 登録形態は「個人馬主」に限定します。
・ 馬主に係る事務を代行するため、国内に居住する「連絡責任者」を置くことを義務付けます。

 これが昨年11月にJRAから発表された日本で馬主になるための?条件?なわけだが、この条件を毎年何人も通り抜ける人が出るわけがない。いい例が地方競馬からJRAへの移籍制度。03年に導入されたかの制度も厳しい条件の前に移籍を実現した者は数えるほど。しかも、彼らのほとんどは既にJRAで十分な実績を積み上げていた者であった(制度が彼らに有利な側面もあったが)。となると、この「外国人に対する馬主登録開放」もある程度日本で実績を挙げている馬主に当分のところは限定される可能性がかなり高いのではないかと。
 しかも、外国人馬主登録は今年は制度開始初年度。それこそ「灰色」の馬主は振り落とされて全員が納得する馬主(アラブの金持ちとか)しか通らないことが予想される。となると、「馬主登録開放」というのはそこまで売りにはならないんじゃないのと。そんな事情をどこまで知っているかは分からないが、彼らが買うのであれば1歳セール中心になるだろうから、そこでどれほどの本気度か分かってくるのかなとも。
 
 そういえば、去年のセレクトセールで馬主登録開放を見据えて1歳馬を買いまくっていたPatinack Farm。日本での馬主登録を断念したのか購買馬は全て輸出されているのだが、先日こんな記事が出ていた。
 7月に開催される3つのセールに注目

日本の関係者にとって注目なのが、上場番号625番の2歳牡馬(馬名未登録)。この馬、昨年のセレクトセールで、1歳部門としては2番目の高値となる 6400万円で、豪州の炭鉱王ネイザン・ティンクラー氏のパティナックファームに購買された、父アグネスタキオン、母がオークスシルクプリマドンナという日本産馬なのだ。ルーカ・クマーニ厩舎からデビューすべく英国に渡ったはずが、デビューを前にして売りに出されているのだから、ちょっと驚きである。

 昨年のリーディングサイヤーオークス馬の仔がどのような評価を受けるのかひっそりと注目していたが、Madeleine Smith氏が800ギニー(日本円換算で15万くらい?)で落札。昨年の購買価格(6400万)と比較するとかなりの安値。
-625 B,C AGNES TACHYON (JPN) - SILK PRIMA DONNA (JPN)
 でも、このカタログを見るに母系のことは書いてあれ、父のアグネスタキオンに関する記述は一切無し。向こうじゃ、よほどの競馬ファンじゃないと「昨年の日本のリーディングサイヤーアグネスタキオン」なんて知らないと思われるだけに、これも仕方が無いのかなと(ただ、この値でも手放したということは、馬自身に何か欠陥があったんじゃないかとも思うが)